お姉ちゃん、遊ぼ~弟は、フワフワ甘えんぼのビションフリーゼ~

30年以上ビションフリーゼと過ごしてきた回顧録です。日々の記録に加え、病院やトリミングなど、その他もろもろについて、情報交換がてら交流を持てたらいいな、と思っています。

【ジュニの闘病1か月の記録】2回目の抗がん剤投与、のはずが…

皆さん、こんばんは。

歩です。

  

前回は、1回目の抗がん剤投与を終えた後の自宅療養の様子をご紹介しました。

食欲不振もなし、体温・呼吸数も異常なし、そして私達家族に対して常にべったり気味になったジュニですが、それから1週間後、2回目の抗がん剤投与の日がやってきました。

その時の出来事について、ご紹介しようと思います。

では。

2回目の抗がん剤投与の予定日。

この日は生憎の雨だったので、キャリーケースにジュニを入れて、動物病院に向かった。

ジュニは、動物病院に行くと自分の体調がよくなることが分かっているようで、特段嫌がる様子は見せず、大人しくキャリーケースの中に入ったものの、「その景色が見たい!」と鳴くことだけはいつも通り。

要するに、ふたを閉められるのが大嫌いなのだ。

病院まで連れて行ってくれたタクシーの運転手さんが、とても犬好きということで、道中色々と気にかけてくれたのが幸いだった。

「お大事になさってください」という温かい言葉をかけてくださったタクシーの運転手さんにお礼をいい、待合室に入ると、まだ来ている人が少なかったため、15分程度で声がかかった。

 

T先生に、この1週間の自宅療養中のジュニの様子を伝え、毎日、朝、昼、夜3回の呼吸数と体温を記録したノートを見せたところ、最初の経過としては上々とのことだった。

抗がん剤投与前に、血液検査が必要とのことだったので、結果が出るまで40分ほどまた待合室で待った後、改めてT先生との話になった。

 

T先生;

「これが、ジュニちゃんのお腹の中のレントゲン写真です。

最初、14.3 ミリ × 37 ミリあったものが、1回目投与したあと、12.9 ミリ × 28 ミリ、

2回目投与したあとが、10.4 ミリ × 20.3 ミリ、と徐々に小さくはなってきています。

体表のリンパ節も、ある程度小さくなってきています。

けれど、まだ完全に腫瘍の細胞は破壊できていないので、まだまだ抗がん剤で破壊していかないと、というところです」

 

母;

「リンパ腫が小さくなったから、以前よりも元気になったな、という感じがする、ということでしょうか?」

 

T先生;

「そうです。

現に、脾臓辺りのリンパ節は、目に見えないほどの大きさまで小さくなりました。

あとは、血液検査の結果を見ると、ちょっと副作用がある程度出てきているところがあります。

結論から申し上げると、今日はちょっと抗がん剤は射てないです」

 

私;「射てない?」

 

T先生;

「はい。

血液検査のWBC、白血球の数になるんですけれど、これが大分少なくなってきています。

前回は、射った後でも、正常ワンちゃんは6000ぐらいなんですけど、5400ぐらいでしたので。

白血球の中にも色々な細胞、好中球だったり、リンパ球だったり、マクロファージだったり、色々な種類があるんですけれど、基本的には好中球と呼ばれるものが大事になってきます。

抗がん剤を射つ、射たないの基準は、好中球の数で判断しているところがあるんです。

好中球は、身体を感染などから守る働きをしてます。

なので、これがぐんと下がっていくと、ちょっとのことで、敗血症、つまり身体が弱ってしまいます

 

母;「それが、この子の場合は少ない?」

 

T先生;

「そうです。この子の場合は、白血球数が3100と少ないです。

で、その中からさらに、好中球の数を見ていくと、600くらいしかいない。

なので、この段階で抗がん剤をさらに打っていくと、もっと好中球が更に少なくなります。

そうなってくると敗血症のリスクが更に高くなってくるので、今日は射てないです」

 

私;「好中球は普通だったらどれくらい含まれているものなんですか?」

 

T先生;

普通であれば、白血球の総数の6, 7割くらいはあるものです。

例えば、通常が白血球の総数が6000くらいなら、3600~4000くらいあります。」

 

母;「それが、この子の場合は600しかない?」

 

T先生;

「そうです。これは、骨髄の抑制という抗がん剤の副作用であったり、副反応です。

骨髄の抑制がかかると、好中球がやられてしまう。

ただ、好中球の寿命はただ1日、2日で回復するので、骨髄の抑制が取れてくると、また好中球がどんどん増えてきます。

そうなると、また投与が可能という形になります。

また、GPTやALPといった肝臓の値は、どうしてもステロイドを使っている関係で上がってきています。

ただ、BUNといった腎臓の値、そしてPの値も減少しました。

今後は、好中球の値をモニターしながら抗がん剤を打っていく形になります

 

私;

「つまり、元気に見えても、体の中では好中球が少なくなっていて、病気にかかりやすい状況になっているから、今日は射てない。

今後も同様にモニターが必要ってことなんですね」

 

T先生;

「はい、そうです。

なので、3日後くらいにもう1回来ていただいて、その時に血液検査して大丈夫なら射ちましょう。

基本的にあまり間隔を開けたくないので。

ある程度詰めてあげて、副作用がでないぎりぎりのところでうってあげないと、中々リンパ腫はやっつけられないので。

リンパ節の大きさ自体は小さくなっているので、効いてはいますよ」

 

私;「だって、ジュニちゃん。今日は、このまま帰ろうね」

 

診察台の上で大人しく座っているジュニを撫でながら、声をかける。

 

その後、ジュニが散歩好きであることを話すと、T先生からは、せめて連続で投与していく4週、5週目までは散歩は控えるように、との注意を受け、私達は病院を後にした。

 

リンパ腫が小さくなっていたのはありがたいけれど、副作用で射てない、という状況になるとは思わなかった。

これが、抗がん剤治療の難しさなんだ。

リンパ腫が退治できる反面、好中球が下がることによる感染症のリスクの上昇。

抗がん剤治療の難しさを改めて痛感した。

 

当の本人、ジュニは帰ってこられたことに満足したのか、帰宅早々ご飯を平らげて、私の部屋で爆睡していた。

次の検査は、3日後。

その時までに、ジュニの体内の好中球が増えて、抗がん剤投与が可能な状態になっているといい。

そう思った。