お姉ちゃん、遊ぼ~弟は、フワフワ甘えんぼのビションフリーゼ~

30年以上ビションフリーゼと過ごしてきた回顧録です。日々の記録に加え、病院やトリミングなど、その他もろもろについて、情報交換がてら交流を持てたらいいな、と思っています。

【ジュニの闘病1か月の記録】容態が急変した日曜日の夜

皆さん、こんばんは。

歩です。

 

ついに、2度目の緊急事態宣言が発令されましたね。

私は、今月4日に初出勤したばかりというのに、会社の方針で8日から在宅ワークになりました。

私を含めた中途採用の新入社員は、全員僅か5日目にして、在宅で研修及び仕事となり、もうてんやわんやでした。

ですが、このご時世、公共交通機関の通勤ラッシュの中出勤しなくてもよいというのは、とても安心できるのでありがたい限りです。

皆さんも、本当に体調にお気をつけてお過ごしください。

 

さて、今回から昨年の7月、3回目の抗がん剤を投与し終わってから、ジュニが天国へ旅立つまでの3日間の記録を書いていきたいと思います。

 

lymphoma.hatenadiary.com

 

字に書き起こすのも辛い部分が多く、書き上げるのにかなり時間がかかってしまいました。

私にとっては、犬である以上に大切な二人目の弟の最期の時間を書いているので、内容を見るのが辛い、という方はどうぞここでお戻りください。

大丈夫という方のみ、下へお進みくださいませ。

では。

3回目の抗がん剤投与を終えた翌日の土曜日。

この日のジュニは、特段いつもと変わったような様子はなかった。

安静時の呼吸数は、平均20回前後、1日3回の体温はいずれも、37.6~37.8℃と平熱、と異常なし、食欲もいつも通りだった。

そのせいもあったかもしれない。

私は、前日帰宅直前に、ジュニが短い間とはいえ、ガクガク痙攣していたことを、一時のことだと思い込み、深く考えもしていなかった。

 

しかし、翌日の日曜日の午後、事態は急変した。

 

この日、ジュニは日課となっているお散歩に、父と共に出かけて行った。

今は、先生から長めの運動は控えるように言われていることもあり、いつもなら40分以上の散歩コースも今は10分程度にショートカットしている。

そして、散歩から帰ってきたら、お風呂に入って、父に体を洗ってもらい、ご褒美のおやつをもらって、夕飯まで私のベッドで寝る、というのが日曜日のルーティンでもあった。

 

散歩に行く直前、帰宅後、そしてお風呂に入っている時。

ジュニの様子はいつもと何も変わらなかった。

 

だが、夕飯までの時間、いつものように私の部屋に来て、ベッドに座り込んだジュニの傍にいった時、私は異常な音を耳にした。

 

ハッ、ハッ、という、やけに早い、断続的な息切れのような音。

 

横に座るジュニは、いつものように横になって足を伸ばしてリラックスするような姿勢ではなく、立った姿勢からそのまま腰を下ろしたような四つん這いの状態で、しかも身体全体で呼吸しているような状態だった。

 

私;「ジュニ!どうしたの、苦しいの?」

 

慌てて、いつものように呼吸数を測ると、1分につき、50回近く息を吐いている。

T先生から教えられた、正常範囲の1分辺りの呼吸数の40回を超えていた。

嫌な予感が全身を駆け巡り、私はリビングにいる両親に向かって叫んだ。

 

私;「ねえ、ジュニの様子がおかしいよ!呼吸数が早いし、苦しそう!」

 

飛んできた両親は、私同様、激しい呼吸をしているジュニを見て顔色を変えた。

母が慌てて、ジュニの体温を測ると、体温は37.6℃と平熱。

とりあえず、発熱はしていないようだったが、油断はできない。

私はすぐに動物病院に連絡した。

電話口に出た主治医のT先生に、ジュニが、急に断続的で速いペースの呼吸をするようになったことを話すと、

「一時的に呼吸が早くなるケースもよくあるので、1時間ほど様子をみて、それでも収まる気配がなければ病院に連れてきてください」

とのことだった。

 

1時間。

どうか、ジュニの呼吸が収まってくれますように。

そう祈りながら、私はジュニの傍についていた。

けれど、この時、脳裏をよぎったのは、一昨日、一瞬とはいえ、ジュニが痙攣をおこしていたこと。

あれは、もしかして今の症状の前兆だったんじゃないか?

このまま、もし、症状が悪化していったら?

時折頭をかすめる最悪の事態を必死で振り払い、ひたすらジュニの背中を撫で、苦しそうな状態が一刻も早く、収まってくれることを願った。

 

けれど、1時間経っても、ジュニの呼吸は早いままだった。

食欲もないらしく、用意した夕ご飯も食べようとしない。

もう居ても立ってもいられず、私は夕食などそっちのけで、母と一緒に、ジュニを動物病院に連れていった。

 

事前連絡をしていたことと、すでに夜間診療の時間だったので、T先生は既に準備を終えて待っていてくれた。

体温、呼吸数、食欲の有無などの問診をし、改めてレントゲンなどの診察を終えた後、T先生は私達を個室に呼んだ。

 

T先生;

「今のところ、命に係わる状態ではなさそうです。

こちら、レントゲン像なのですが、肺の部分も全然黒いままで、炎症を起こしているとみられる白い影も見えないので、先程お電話で伺った呼吸数が早い状態は、肺炎由来ではないと思います。

それと、呼吸数も私のほうで測ってみましたが、今は1分間に32回、一応基準値内にまで収まっています。

体温も平熱なので、症状としては1時的なものであると思われますね」

 

話を聞いて、ほっとした。

最悪の事態には、とりあえず至っていないんだ。

ただ、ジュニの呼吸が早くなってから、既に4時間近く経過している。

このまま放置しておいて大丈夫なんだろうか?と気になり、T先生に伺うと、先生は難しい表情をした。

 

T先生;

「どうしても心配であるなら、今夜このまま引き取ることもできます。

ただ、11時過ぎになってしまうと、宿直のスタッフ以外いなくなってしまうので、もしその間に容態が急変してしまった場合、対処ができなくなってしまう可能性があるんです。

いかがしますか?」

 

私と母は顔を見合わせた。

この動物病院は、365日24時間対応しているとは言えど、やはり夜間の対応は専門の先生もいなくなってしまうため、弱くなってしまう。

そんな状態で、今のジュニを預けて帰るのはどうしても不安だった。

ただでさえ、ジュニはこの病院に入院する際に入る、格子つきの個室が苦手なのだ。

心理的に不安を覚えるような環境で、体調の悪いジュニを置いておきたくない。

そう判断し、私達はジュニを連れて帰宅することにした。

 

いつもと様子が違うとはいえ、急を要する事態ではないのなら、一緒にいてあげることが、ジュニにとって嬉しいことに違いないから。

明日。

明日の朝には、きっとこの呼吸も収まってる。

そうしたら、今日、苦しくて夕飯が食べられなかったから、きっと「お腹空いたよ」って台所でアピールしにくる。

ジュニの好きなもの、用意してあげなきゃ。

いつも通りの日常が、明日には戻ると信じて、帰路についた私達。

 

けれど。

私達の希望を打ち砕くように、翌日の月曜日、事態は更に悪化していったのだった。