皆さん、こんばんは。
歩です。
一気に寒くなりましたね!
冬将軍様、どうかお手柔らかにお願いします、という感じです。
わが家では、クローゼットから急遽真冬用のコートや帽子、手袋などを引っ張り出す羽目になりました…。
皆さんのところはいかがですか?
防寒対策しっかりして、冬将軍様に負けないように過ごしていきましょう。
さて、先日は、ジュニの葬儀を終えて四十九日を迎えるまでの間、悲しみと向き合いながら過ごしていたある日、母からある提案をされたところまで書きました。
今回は、その続きです。
では、どうぞ。
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母;
「ジュニの一周忌が終わってからでいいんだけれど…3代目のビションを迎えない?」
実をいうと、母がこう提案してくるだろうという予感は少しあった。
「ビションフリーゼと、家族として過ごす時間がない」ことが寂しい、と感じる以上、「ビションフリーゼを迎えたい」と思うのは普通だ。
だから、特段「3代目のビションを…」というのはおかしなことではない。
ただ、少しだけ意外だったのは、「一周忌を終わってから」という言葉が、母の口から出たことだ。
実は、ジュニが我が家に来る数か月前、私は母と大喧嘩したことがある。
きっかけは、先代ビションフリーゼ、ナナの死だった。
ナナが亡くなってからしばらくして、両親は新しいビションフリーゼの子犬を迎えることを決めていた。
私も、自分が幼少期の頃から成人するまでの間、ずっと弟として可愛がってきたナナが虹の橋を渡ってしまったことに、精神的にかなりのダメージを受けてはいたものの、次の子犬を迎えること自体にはそこまで反対ではなかった。
問題だったのは、タイミング。
ナナが亡くなったのが、2月中旬。
対して、ジュニがまだブリーダーさんのところでお母さん犬と一緒に過ごしていた頃に、初めて両親と面会したのが、5月のゴールデンウィーク真っ最中。
つまり、両親は
「四十九日が過ぎたら、すぐに新しいビションフリーゼの子犬を探そう」
と決めていたのだ。
このことが、私が両親に対して、猛烈な反発心を抱かせることになってしまった。
今は、あの頃の両親が「ナナと過ごした時間が大切」だったからこそ、その時間が失われてしまったことが悲しくてたまらず、少しでも早く次のビションフリーゼを迎えることで、「ナナとの時間を振り返りたかった」のだと理解できる。
けれど、当時の私の心境は全く逆だった。
むしろ、
「時間をかけて、ゆっくりナナとの思い出を振り返りたい。
次の子を迎えるのは、気持ちの整理がついてからにする」
と思っていた。
だから、両親が新たなビションフリーゼを探し始めているのを知った時、別の意味で悲しくなってしまった。
私;
(どうして、ナナの話をしないの?どうして、新しく迎える子の話ばかりするの?)
(そんなに早く、ナナと過ごした時間を、過去のことにしようとしないで)
(ナナが、僕のこと忘れちゃうの?って寂しがっちゃうよ)
(ナナを偲ぶ時間を、もう少しちょうだい)
(待って。せめて、ナナの一周忌が過ぎるまで、待って)
(新しく来る子は、ナナの代わりなんかじゃない)
心の中で、そんな言葉を何度も何度も叫んでいた。
けれど、ビションフリーゼの子犬の情報を見つけては、
「いつ下見に行こうか」「また男の子がいいね」
と、楽しそうに話している両親の顔を見ては、その言葉は言い出せなかった。
一方で、両親は私がそんな気持ちでいるとは知らなかったため、度々新しいビションフリーゼの子犬のことについて、私に話そうとしてきた。
それが苦痛で、私はこの当時、家にいる時は殆ど自室に籠り、両親との会話を極力絶っていた。
「今、新しい子を迎えたら、本当にナナのことを過去にされてしまうんじゃないか」
そんな追い立てられるような気持があった。
しかし、とうとうある日、母が
「お父さんが、新しいビションフリーゼの子を迎える話を具体的にしようとしてるのに、その態度は何なの?」
と苦言を呈してきた。
その瞬間、今まで抑えてきた色んな感情が爆発し、
「ナナのことを簡単に忘れろ、みたいなこと言わないで!」
みたいなことを怒鳴ってしまい、それが元で大喧嘩に発展してしまったのだった。
後になって、父は、新しいビションフリーゼの子の話になると、私の顔色が急に曇り、口数が少なくなることに前々から気付いており、
「もしかして、歩は新しいビションフリーゼを迎えることに反対なのでは?」
と思い、私の気持ちを確認しなければ、と思っていたらしい。
しかし、先に母と私との間で大喧嘩が発生し、順番が逆になってしまったのだった。
結果的に両親とも、
「ナナのことを忘れたりする筈ない、絶対に。
でもナナがいなくなって、ビションフリーゼがいない時間が、母さんも父さんも辛い。
だから、新しい子を迎えることを許してくれない?」
と話してくれたことで、不安はあったものの、私は新しい子犬、私にとって、2人目の弟となる、ジュニを迎えることを了承したのだった。
そんな経緯があったからだったのかもしれない。
母;
「今になって、あの時の歩の気持ちが分かる。
ナナが逝っちゃった時、今ジュニに対してやってるように、四十九日までの時間をちゃんと向き合わなかった。
ナナに可哀そうなことしちゃったな、って思うよ」
母にとって、「一周忌が終わってから…」というのは、虹の橋を渡ったナナへの、後悔と謝罪からでた言葉だった。