お姉ちゃん、遊ぼ~弟は、フワフワ甘えんぼのビションフリーゼ~

30年以上ビションフリーゼと過ごしてきた回顧録です。日々の記録に加え、病院やトリミングなど、その他もろもろについて、情報交換がてら交流を持てたらいいな、と思っています。

【ジュニの闘病1か月の記録】抗がん剤治療 1回目

皆さん、こんばんは。

歩です。

 

前回は、ジュニが無事に導入期治療を終えて、退院したところまでを書きました。

本日は、それから4日後、いよいよ本格的な抗がん剤治療を始めた時のことについて書こうと思います。

では。

導入期治療を終えて退院してからというもの、ジュニは見た目からは余命宣告を受けたとは思えないほど、以前の活発さを取り戻していた。

加えて、以前よりもずっと甘えん坊になった。

 

早朝、夕方に、父に向けての「お散歩行こう」アピール。

昼と夜、母に向かっての「お腹空いたよ」アピール。

昼、私に向かっての「ベッドで寝かせてよ」アピール。

 

とりわけ、コロナによる外出自粛で、私の在宅時間が増えたせいか、ジュニはより一層お姉ちゃんっ子になった。

 

食事のためにリビングに行くと、ついてくる。

在宅ワークや資格勉強のために部屋に戻ると、ドアを引っかいて「入れて!」と鳴く。

部屋に入ると、我が物顔で私のベッドに上がり、我が物顔で占拠して爆睡。

 

そんな、以前と全く変わらない、穏やかな日が戻ってきた。

正直、入院前のあの衰弱ぶりは嘘だったんじゃないか、と思うことすらあったが、油断はできない。

4日後、私と母は再びジュニを連れて、動物病院を訪れた。

 

まずはリンパ腫や抗がん剤による副作用の影響が出ていないか確認するため、血液検査が行われる。

その後、結果が出て、私達はT先生に呼ばれて個室に入った。

 

T先生;

「赤血球の割合は退院時と変わりませんし、たんぱく質、血小板の値も大丈夫です。

それに対して、肝臓の酵素であるALPや、クレアチニン、いわゆる腎臓障害の目安となるBUNですが、この辺りが少し上がっています。

また、電解質のバランスもカリウムがちょっと上がってきていて、リンの値も少し高いです。

これらの値の上昇は、腫瘍が溶解することによって起きるものです。

ただ、抗がん剤治療を受けているどの子にも見られる症状なので、そこまで心配するようなものではありません。

加えて、先程リンパ節も測らせてもらったんですけど、今の時点で入院時の大体半分くらいの大きさになっています」

 

つまり、たった2日の導入期治療だけで、ジュニの命を脅かしていたリンパ腫の半分が退治できたということだ。

道理で、ジュニの調子が良くなったわけだと納得した。

 

T先生;

「残りの半分を抗がん剤を打ってやっつけていく、という形になると、その半分がまた腫瘍が溶解して、調子を崩したりすることが考えられます。

なので、万一に備えて今日1日お預かりしたほうがいいかな、とは思います。

抗がん剤を打つと、おそらく腎臓の値も上がってくる。

それを見越して、点滴して、ある程度下げてあげる、つまり管理する形です。

明日丸1日点滴してから、退院という形のほうが、副作用の影響も少なくなると思われますが、どう致しますか?」

 

導入期での治療で用いた抗がん剤は、最も副作用が弱いものを使っていた。

今回、より効果の高い抗がん剤を使うとなると、副作用が強く出る可能性は大いにある。

万一のことを考えて、先生達にすぐ処置してもらえる環境のほうが、危険は少ないように思えた。

私と母が了承の意を示すと、T先生はさらに説明を続けた。

 

T先生;

「最初のほうは、ある程度腫瘍が破壊されることによる副作用が出ますから、そのあたりのところを管理させていただいて、リンパ腫が小さくなってくれれば、ある程度維持できるようになってくると思います」

 

最初のK先生の話では、3,4回の抗がん剤投与で、ジュニのリンパ腫は寛解レベルにまで持っていける、と言っていた。

つまり、その治療さえ乗り切れば、副作用の心配をしなくてよくなる、ということだ。

 

T先生;

「ちなみに、ジュニちゃんの培養検査の結果も返ってきています。

確かに、皮膚に細菌はいますが、検査結果は全て感受性あり、とのことでした。

全てのお薬が有効に使えるということになりますので、ジュニちゃんの容態に合わせて、お薬を使っていきますね」

 

思った通りだった。

元々持病のなかったジュニに対して、私達は以前からなるべくお薬を飲ませないようにしていた。

そのため、効果の弱いお薬でも、ジュニに対しては効きすぎるくらい良く効く傾向があるのではないかと思っていたが、どうやらその推測は当たっていたらしい。

きっと、今回の抗がん剤で、リンパ腫をさらにやっつけることができる、という希望をもって、私と母はジュニのことをお願いした。

 

私;

「ジュニ、万一に備えて今日も入院だって。

でもよかったね、ジュニの中にいた悪いものは、もう半分も退治できたって。

お薬も全部対応できるっていうから、きっと良くなるよ。

明日、迎えにくるからね。先生の言うことをよく聞いて、いい子にしてるんだよ」

 

そう言い聞かせる間、不思議と、ジュニは前回の入院時と比べて鳴き叫んだり、暴れたりするようなことはなかった。

ジュニは、ここにくると自分の体調がよくなることが分かっているのかもしれないね、と母は笑っていた。

 

 

そして、翌日。

この日は私は転職活動の面接が入っていた為、母一人でジュニのお迎えに行った。

 

帰宅後に母から聞いた話では、今回投与した抗がん剤は、「オンコビン」と呼ばれるもので、導入期治療に用いたものより効果が高い分、副作用の反動も大きいらしい。

 ただし、今のところは特段これといった不調もなく、また、朝一の血液検査結果も改善していることから、退院しても大丈夫、とのことだったそう。

 

私;「ジュニちゃん、おかえり。元気そうでよかったね」 

 

ジュニの顔を両手で挟み込んで、お互いの鼻をくっつける。

そんなお決まりの挨拶を済ませたところで、母が1枚の紙を渡してきた.

 

母;

「読んでおいて。

今後、抗がん剤治療を続けていく中で、うちらがやらなきゃいけない事があるの。

それで、歩にネットで探して購入してほしいものがあるんだけど…」

 

無事に終わった、1回目の抗がん剤治療。

けれど、実は2回目の抗がん剤投与までの間に、私達家族にはやらなければならないことがあった。