お姉ちゃん、遊ぼ~弟は、フワフワ甘えんぼのビションフリーゼ~

30年以上ビションフリーゼと過ごしてきた回顧録です。日々の記録に加え、病院やトリミングなど、その他もろもろについて、情報交換がてら交流を持てたらいいな、と思っています。

【ジュニの闘病1か月の記録】抗がん剤治療;導入期~初日を乗り切ったジュニ

皆さん、こんばんは。

歩です。

 

今回は、ジュニの抗がん剤治療の導入期について、お話ししたいと思います。

では。

ジュニを動物病院に預けた日の夜は、

「万一、動物病院から緊急電話があったらどうしよう」

と気が気でなく、私も母も満足に眠れなかった。

 

心の中で大丈夫だ、と言い聞かせていても、面会時に「行かないで!」と言わんばかりに、鳴いて縋り付いてきたジュニの姿がしょっちゅう脳裏に浮かんで、

「もしあれが最期の別れになってしまったら…」

と思うと、落ち着いていられなかった。

 

結局、翌日動物病院が開く時間まで電話はなかったので、ほっと一安心しつつも、状況が分からないことには落ち着かない私達は、朝一でT先生に電話を掛けた。

 

母;

「昨日、入院したジュニなんですけれど、容態はどうでしょうか?」

 

T先生;

「大丈夫です、元気ですよ。今日、また詳細をお話ししますので、15時頃にいらしてください」

 

この言葉に、ようやく私達は体の力が抜けた。

とりあえず、ショック死の心配はなくなったようだ。

午後の診察が始まる15時に動物病院に向かうと、すぐに名前を呼ばれ、T先生が状況報告をしてくれた。

 

T先生;

「昨日、点滴を打って体調を整えた後、抗がん剤を打ちました。

今のところ、嘔吐や下痢といった症状は出ていません。

それで、効果はあったのか、評価はできないけれど、今朝の血液検査の結果では、点滴してるにも関わらず、腎臓の数値、BUN値が前回の27.7に対して、今回44.9とやっぱり上がってきているんです。

なので、今のところやっぱり腫瘍溶解性症候群は起きているんだろうなと思います。

P(リン)の値も、4.9まで上がってきています。

ぎりぎり正常値内ですが、腫瘍が壊れると、Pの値ってあがってくるんですよ。

だから、効いてはいるんだろうな、とは思います.。

一応ジュニちゃんの調子が良いようですので、明日朝一で検査して腎臓の値が下がれば、明日退院だと思ってください」

 

私&母;「え、明日!?」

 

T先生;

「はい。数日後に来てもらって、本格的な抗がん剤を打っていきます。

昨日打ったのは、正確にいうと抗がん剤ではなく、リンパ腫の栄養素を枯渇するようなもの、L-アスパラギナーゼという抗がん剤なんですけれど、副作用が圧倒的に少ない類のものなんです。

一番最初に強い抗がん剤を使って対処用法すると、この後が大変かもしれないので、最初は弱いものから始めることにしました」

 

明日退院できるかどうかは、明日の朝一の血液検査の結果次第だとのことだったが、予想以上に処置の経過後の容態はいいようで、私と母は安堵した。

 

この後、私達はジュニに会いに行った。

ペットホテルとしても使われている部屋の一番奥に、ジュニがいた。

点滴がされていて、エリザベスカラーもつけられてはいたが、昨日と殆ど変わらなかった。

 

私&母;「ジュニ!」

 

私達の声に、それまで横になっていたジュニはむくっと起き上がり、尻尾を振った。途端に甲高い声で鳴きだした。

普段、絶対に出さないような遠吠えに近い声。

母がゲージ越しに声をかけている横で、私は担当してくれた看護師さんの報告を聞いていた。

 

看護師さん;

「T先生からお話があったかもしれませんが、特に嘔吐や下痢などもしていませんし、だるそうな様子もありませんでした。

それと、お預かりしたご飯のほうも、昨日の夜と今朝とで合わせて120 gほど食べて、食欲不振も見受けられませんでした。

それで、昨日お持ちいただいたご飯のほうなんですけれど、もう残り少ないので、病院で保管しているご飯のほうを与えても大丈夫ですか?」

 

私;「え!?」

 

実は、入院する前、私達はジュニがいつも家で食べているご飯を別途持参し、食べさせてくれるように頼んでいた。

ただ、ここ数日、1日でやっと50gいくかいかないか位しか口にしなかったため、3日分と考えて150g程度しか持っていかなかったため、もう持参したジュニのご飯はわずかしか残っていなかった。

この分だと、仮に明日退院となっても、ごはんの量が絶対に足りない。

念のため、と持ってきていた予備のご飯を看護師さんに手渡しながら、急激に食欲を取り戻したジュニの様子を聞いて、心から安堵した。

 

詳細な報告を聞いて、さてジュニの様子を見ようと思った時だった。

 

母;

「ねえ、ジュニの目、見えるようになってる気がするんだけど、お母さんの気のせい?」

 

T先生は目のことについては特に言っていなかったけれど、目やには出ておらず、また心なしか目の周囲の腫れも少し引いているような気がする。

 

私;「ジュニ、お姉ちゃんだよ。分かる?」

 

すると、ジュニは尻尾を振りながら私のほうに正確に顔を向けてきた。

見たところ、だるそうにしている様子もないし、入院前に比べて、後ろ足でしっかり立って動き回っている。

T先生の言っていたように、見た目では元気そうだった。

 

私;「具合はどう?早ければ、明日にもお家に帰れるって。よく、頑張ったね」

 

よほど嬉しいのか、まるで雄たけびのような声を上げて鳴くジュニ。

それも、入院前のように明後日の方向を向くことなく、ちゃんと私と母の顔を認識しているような気がした。

ケージから出してあげることはできないため、わずかな隙間からしか撫でてあげられなかったけれど、30分ほど声をかけて、鼻先や頭を撫でてあげて、ようやくジュニは落ち着いたのを見計らい、私達は帰路に着いた。

 

良かった。ジュニは、導入期を乗り越えたんだ。

当初、3日は入院って聞いていたけれど、T先生は思いのほか容態が安定しているって言ってたから、大丈夫。

きっと、ジュニはリンパ腫の治療にも耐えてくれる。

 

そう思い、3日ぶりにやっとよく眠れるような気がした。