お姉ちゃん、遊ぼ~弟は、フワフワ甘えんぼのビションフリーゼ~

30年以上ビションフリーゼと過ごしてきた回顧録です。日々の記録に加え、病院やトリミングなど、その他もろもろについて、情報交換がてら交流を持てたらいいな、と思っています。

【ジュニの闘病1か月の記録】1回目の抗がん剤投与後~自宅待機~

皆さん、こんばんは。

歩です。

 

ずいぶん間が空いてしまいましたが、再びジュニの闘病生活の続きについて書こうと思います。

今回は、ジュニが1回目の抗がん剤投与を終え、自宅療養中の様子について書いていきます。

では。

抗がん剤投与1回目を終えた翌日の午後。

 

退院してきたジュニは、前回の導入期時と同様、帰宅すると同時に猛烈な「お腹空いたよ!」アピールを始めた。

この場合の「猛烈アピール」は、

  • 台所にまで母の後をついていく
  • 自分のご飯のセッティング場所で待機する
  • ご飯がセッティングされていない!と目線、あるいは鳴いて訴える

の全部。

 

ジュニは普段からご飯は決まった時間に食べる子なのだが、いつも同じ量を食べるとは限らない。

ある日、昼と夜、完食するほどぺろりと平らげてしまうこともあれば、昼は完食して夜は半分程度、と少し食欲にムラがある。

その為か、自分から「お腹空いた!ご飯ちょうだい!」とアピールすることはなく、体内時計でいつものご飯時になると起きる、というのが常だった。

 

ところが、リンパ腫になってからというもの、ジュニの食がめっきり細くなってしまい、特に余命宣告を受けた辺りでは、2週間で1kg近くも体重が減少してしまうほど、食べなくなってしまった。

 

そんな状態から、抗がん剤投与によってリンパ腫が退治されていく中、ジュニの中の生命力が復活したかのように、急激にあの子の食欲が戻り始めた。

いや、戻るなんてものじゃない。

普段以上にがっつきになった。

 

この日も、母が事前に用意していたいつものご飯に、カボチャとブロッコリー、鳥のささ身をぺろりと平らげたのだが、そのわずか5時間後。

私達が夕食を取る時分にも、同じ量のご飯を平らげてしまった。

そしてさらに驚いたのが、翌日。

いつものご飯の時間よりも3時間近く早いタイミングで、ジュニがうそうそベッドの上で動き回り始めた。

大体、ジュニがこんな動きをする時はトイレかご飯のどちらかと決まっている。

自室のドアを開けると、ジュニは軽い足取りでキッチンへ向かっていった。

この瞬間、私は確信した。

 

私;「母さん、ジュニ、お腹空いたって!」

母;「え!?」 父;「は!?」

 

両親が驚くのも無理はない。

1週間ほど前の衰弱ぶりからすれば、目を瞠るばかりの食欲だった。

母が慌ててキッチンでご飯の準備を始めると、ジュニは「早く!」と台所でお座りして、じっと母を見つめていた。

ジュニは吠えたり、飛び跳ねたりしない代わり、じっとこちらを見つめる、いわゆる「無言の圧」で自分の要求を伝えようとするくせがある。

それだけに、この時の、母に対する「ご飯!ご飯!」はかなりすごい圧だったように記憶している。

まるでここ2週間食べていなかった分を取り戻さんとするかのようだった。

 

そして、ご飯を食べ終わった後、ジュニが行く場所は決まって私のベットの上だった。

普段、平日はリビングで母と一緒にいることが多いのだが、この頃の私が、退職前の有休消化および、新型コロナ流行の関係で外出を自粛していた関係で、殆ど終日を家で過ごしていたせいか、私の部屋にほぼ入り浸っていたと言っていい状態。

そして、我が物顔で私のベッドの上に上がり、掛布団を自分好みに丸めて寝床を作り、丸くなったり、伸びたり、ヘソ天したり、とそれはもう、

「極楽じゃ~~」

と言わんばかりにくつろいでいた。

 

その為、T先生から指示された、「自宅での呼吸数測定」はもっか私の役目となった。

呼吸数といっても安静状態での回数だから、あの子が大人しくしている時でないといみがないのだが、いかんせん、ジュニは元々起きている時は活発な子。

 

お散歩も大好きだし、遊びたい時にはソファや座布団で穴掘り練習し、構ってほしい時には足や腕に前足を引っかけて全力で引っ張ってきたりするので、そんな状態で「安静時の呼吸回数」を測るのは至難の業。

ならば、寝ている時に測るのが一番効率的、ということで、毎日、朝・昼・夜の呼吸回数を測定することになった。

熟睡通り越して、ヘソ天で爆睡している時のジュニの呼吸数は、大体、平均で20回/分。

3, 4秒に1回のペースだった。

 

体温測定は、私と母の共同作業。

T先生に指導してもらった通り、体温計をお尻の穴に差し込んで測るだけなのだが、どうにもジュニはこれが苦手らしい。

身体の中に体温計が差し込まれる感覚が嫌なのだろう。

私と母が準備しているのを察すると、テーブルの下に逃げ込んでしまって中々出てこないのだ。

何とか抱っこして連れだすと、私がなだめている隙に母が体温を測定する。

最初は手際が悪く、少し時間がかかってしまったが、数こなすうちにうまく測れるようになった。

ジュニの平均的な体温は37.6~38.2℃。

一般的な犬の体温に比べると少し低めだった。

 

食欲、呼吸、体温、いずれも異常なし。

2回目の抗がん剤投与を迎えるまでの間、大きな異変は起らなかった。

回復していく様子が嬉しくて、私はジュニの動画や写真を撮るようになった。

余命宣告を受けたあの日、もう二度とジュニの生きている姿を見られないかもしれないと覚悟した夜、スマホやカメラにあるジュニの写真や動画が少ないことに、

「なんで、もっとあの子の写真を撮っておかなかったんだろう・・・」

と後悔した。

だから、今のうちに精いっぱいの思い出を残しておかなければ。

母も同じ思いだったらしく、ジュニの食事の時のご満悦な顔、構ってほしいと甘える時の顔、私にぴったりとくっついてくる時の仕草など、ふとした瞬間のジュニの様子をどんどん撮っていった。

 

ただ一つだけ、ジュニが変わったことがあった。

それは、より一層甘えん坊になったこと。

毎朝起きてくると、真っ先に、真っ黒な鼻を私達の足首辺りに押し付けて匂いを嗅ぐ、

そんな挨拶を必ずするようになった。

リビング、寝室、どこにいてもぴったり寄り添うことが多くなった。

子犬の時のように、腕や足に前足を引っかけて、「構って!」と訴えることが多くなった。

余命宣告された時の入院生活、一番寂しかったのはジュニだったんだ。

だから、今こうして私達と一緒にいる時間を、大切にしてくれている。

 

そう思った。