犬のリンパ腫ってどんなもの?Part 2 (症状、ステージ)
皆さん、こんばんは。
歩です。
前回から少し時間が空いてしまいましたが、今回も引き続き、「犬のリンパ腫」について私なりに調べたことを、ご紹介していきたいと思います。
今回はPart 2 「症状、ステージ」についてお話していきます。
前回の内容が気になる方は、こちらの記事からどうぞ。
では。
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犬のリンパ腫、どんな症状が出てくる?
ワンちゃんが発症するリンパ腫の80%が、低分化型、つまり進行が非常に速いと言われている多中心型であると言われています。
その為、気が付いた時には、リンパ腫がかなり進行してしまっていた、あるいは既に手遅れだった、というケースも比較的多いようです。
実際、フィラリアの予防接種などでひと月に一度のペースで来院し、血液検査や触診を受けていたジュニでさえ、2週間後に容態が急変するまで、リンパ腫であることが分かりませんでした。
当時、ジュニを担当してくれたT先生や、K先生でさえ、多中心型リンパ腫の早期発見は、中々難しい、と仰っていた程です。
ですが、私達飼い主が「愛犬の様子が普段とは違う、何かおかしい」と早めに気付いて病院に連れていくことで、早期発見につなげることはできます。
実際、リンパ腫にかかると、どんな症状が出るのか、私なりに調べてみました。
もし、以下のような症状が愛犬に見られ始めたら、リンパ腫の可能性を疑って、少しでも早く病院で診ていただくことをお勧めします。
リンパ腫が疑われる症状
- 多中心型:体のしこり、呼吸困難、いびき、食欲低下、元気消失、体重減少
- 消化器型:嘔吐、下痢
- 縦膜型:呼吸困難、食べ物が飲み込みづらい
- 皮膚型:皮膚炎のような症状
タイプによって表れる症状は様々ですが、どれも進行してくると、
- 食欲不振
- 元気低下
- 体重減少
- 発熱
- 顔面や四肢のむくみ
- 平静時の息切れ
- 呼吸速度の上昇
- 多飲多尿
といった症状が出てきます。
逆を言うと、初期状態ではリンパ腫であることに気づきにくく、診断が難しいということ。
進行が早い病気こそ、早期発見・治療が大事なのに、それが見つけにくいというのは、飼い主にとってはかなりのジレンマです。
しかし、リンパ腫の初期状態を比較的早く判断できる基準として、「リンパ節の大きさ」があります。
犬のリンパ節は、大きく分けると5つあります。
- 下顎(かがく):下あごの辺り
- 浅頸(せんけい):肩関節の頭側
- 腋窩(えきか):脇の下の窪んだ所
- そ径(そけい):太もも、足の付け根の部分
- 膝窩(しっか):膝部の後面にできた菱形のくぼみ
通常時なら、リンパ節は触ることができないくらいの大きさなので、これら5か所を触って、「何かしこりのようなものがあるな…」と感じたら、リンパ腫の可能性を疑って下さい。
リンパ腫の進行具合を示す、ステージはどう分類される?
「もし、愛犬がリンパ腫の診断を下されてしまったら…」と考えて、不安になる方も多いと思います。
しかし、実際にはリンパ腫の進行度を示す、「ステージ」によって、治療のアプローチや、期間、経過なども異なってくるようです。
各リンパ腫のステージにおける、進行度は以下のように分別されます。
- ステージ1:1か所のリンパ節または単一臓器のリンパ組織のみに限定される場合
- ステージ2:複数のリンパ節に限った病変が認められる場合。
- ステージ3:全身のリンパ節に広がっている場合
- ステージ4:肝臓、脾臓の病変 (全身のリンパ節の病変を含む場合もあり)
- ステージ5:血液、骨髄、その他の臓器に発現が認められる場合
- サブステージ:全身症状なしを「a」、全身症状ありを「b」
勿論、ステージを現す数字が小さければ小さいほど、治療後の経過や、副作用の危険性も少なくなります。
けれど、仮にステージ5と診断されても、獣医さんから手遅れと言われない限り、どうか治療をあきらめないでください。
ジュニも、一時は見違えるほど元気になり、容態が急変する1週間前の検査では、脾臓や肝臓のリンパ節が見えなくなるほど小さくなり、事実上ステージ3程度まで回復していました。
リンパ腫においては、
- 愛犬の呼吸数や体温、食欲などを知っておく
- 愛犬のリンパ節を触り、しこりや硬くなっていないかを確認する
の2つを行い、早期発見することでリンパ腫のステージが下がり、回復の見込みが高くなると言えます。
次回は、Part 3「リンパ腫になる原因と治療法」について、お話ししたいと思います。