動物病院の選び方~その病院、その先生、本当に信頼できますか?~
皆さん、こんばんは。
歩です。
本日は閑話休題し、「動物病院の選び方」について、私なりの考えをお話ししたいと思います。
前回までの記事では、
- ジュニが病院でリンパ腫と診断され、余命1ヶ月との宣告をされた日のこと
- 私達家族が、ジュニの抗がん剤治療を行うと決断するまでの流れ
の2点について、書いてきました。
T先生やK先生との会話は、一部改変してあるものの、私が断りを入れてスマホで録音した音声データを書き起こしたものなので、ほぼ実際にやりとりしたものに近い形になっています。
そして、改めて会話を書き起こしていて思ったのは、
- 病気や治療法についての解説が丁寧
- 治療法に対して、飼い主の意思を尊重してくれる
という2点が徹底されている、ということでした。
家族の一員でもある大事な愛犬や愛猫に対して、少しでもいい動物病院を探してあげたいと思うのは、全ての飼い主さんにとって当然のことです。
しかし、愛犬・愛猫のブログ日記やyoutubeなどの配信動画を見ていると、
- 「診断結果などについて詳しい説明もなく、ただお薬だけを出されただけ」
- 「ただお金を稼ぐことしか頭にないような感じで、嫌な気分になった」
- 「どう見ても軽症なのに、すぐに手術が必要と言われた」
等々、不快な思いをされた、というコメントを見る機会がかなり多いと感じるようになりました。
実は、他ならぬ私達も、ジュニのかかりつけの動物病院を変えた経験があります。
何故、以前の病院をやめて、現在の病院を選んだのか?
その経緯や理由もお話ししつつ、「動物病院の選び方」について、書いていきたいと思います。
では。
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ジュニの病院探し
15年前、ジュニを新しい家族として迎えた私達にとって、問題は「動物病院をどこにすればいいか」ということでした。
先代のビションフリーゼ、ナナは、、私の進学の都合による転居に伴い、かかりつけの病院まで、車で高速40分ほどかかるようになってしまったことがありました。
交通費も馬鹿にならないため、病院を変えることも考えた私達でしたが、
- 主治医も看護師も、ナナの幼少期から担当してくれている
- ナナが、その病院での最古参で馴染みがあり、行くことを嫌がらなくなっている
ということもあり、最後までその病院にお世話になることを決断しました。
対して、ジュニの場合は初診だし、長い期間お世話になるのだから、近場で探そう、という話になり、ご近所さんから聞いた動物病院に行きました。
ジュニの初診、その感想は…?
帰宅した両親の第一声は、「第一印象として、あまりよくなかった」でした。
理由としては、
- 待合室が畳6畳程度しかなく、とても狭い
- 獣医さんや看護師さんら、スタッフが少ない
- 診察・診療が短くて、「はいはい」とルーティンワークされている感じがした
とのこと。
後日、実際に私も訪れてみましたが、
- 待合室がほぼ過密状態
- 個室に呼ばれてから出てくるまでの時間が、平均5分程度
であり、「なんだか、ナナがお世話になっていた病院と比較すると……」
と少しもやもやしたものを感じたことを覚えています。
明らかに、来院してくるワンちゃんや猫ちゃん達に対して、対応するスタッフが少なすぎていて、
「こんな状況で、ちゃんと、一人一人の飼い主さんとそのパートナーに向き合ってくれるんだろうか?」
と、不安だったのです。
ですが、その病院は、2か月後にすぐそばにもっと広い敷地を購入し、設備を一新、スタッフの増員などを行って、新しくなる、という話を聞いていたので、
「スタッフさんの手が十分に回って、設備が新しくなるなら、この状況も改善傾向に回るかもしれない」
と、両親と話していました。
募る動物病院への不信感
そして、その数か月後…確かに、その動物病院は新しくなりました。
待合室は広くなり、外には待ち疲れた飼い主さんが休めるように、とのカフェテリアや、ワンちゃん達が遊べるドッグラン、ペットホテル、トリミング設備なども完備され、スタッフも以前とは比較にならないほど増えていました。
傍から見れば、「何とも立派な動物病院だ」と思われても当然なくらいでした。
けれど…残念ながら、私達の期待には添いませんでした。
私達が一番重視していた、「飼い主とそのパートナーに、きちんと向き合って診察する」という姿勢とは、大きな温度差があったためです。
具体的には、
- 診療時間が短い
- 愛犬の様子が少しおかしいように感じると言っても、きちんとした検査をしない。それどころか、「よくあることですよ」の一言で済ませてしまう
- 検査した結果についての情報を開示してくれない
- ただ、「お薬をお出しします」の一言で終了
- 何事も、「お薬で解決」の姿勢
等々…
これらの対応が、あまりにも先代、ナナがお世話になっていた動物病院のスタッフの方々と違っていて、次第に両親はこの動物病院に対して不信感を募らせていきました。
動物病院を変える決断
決定打になったのが、私達が祖父の訃報を受けて、急遽ジュニを病院のペットホテルに預けた時のことでした。
ジュニを預ける時、両親は担当の先生に、「お薬をむやみに上げないでください」とお願いしていました。
しかし、いざ引き取りにいくと、なんと担当の先生は私達に連絡もなしに、勝手にお薬を飲ませていたのです。
それもただ、ジュニが空咳1つした、という理由で、詳しい検査もすることなく。
両親が抗議すると、先生はこう言ったそうです。
「文句があるなら、他の病院に行ってもいいんですよ。こっちは落ち度があったとは思っていません」
この言葉に、両親は「もうこの病院にジュニを任せることはできない」と判断し、診察券を返して、病院を変えることを告げたそうです。
すると、何とその先生は、一言。
「どうなっても知りませんよ」
まるで、脅しとも取れるような捨て台詞すら吐いたと…。
流石に、この話を聞いた時は、私も怒りを抑えきれませんでした。
私(心の声);
「こっちは、大事な家族を預けてるんだ‼
それを、私達の意向も無視して、連絡や了承もなしに勝手に処置した上に、勝手にしろ、と言わんばかりのその態度!
あんたみたいな獣医に、私の大事な弟を任せられるか‼」
こうして、私達は「もう二度とこの病院は使わない」と決断しました。
新たな動物病院への受診、感じた信頼と安心
1年後。
私達が見つけたのが、今回のリンパ腫の治療でお世話になった動物病院でした。
第一印象として、広さや清潔感、スタッフの多さに好感が持てたこともありましたが、初診で伺った時に担当してくれた先生が、
- レントゲンや血液検査をする目的
- 検査結果の画像や数値の説明と、それらが示す、愛犬の病気やケガの状態
- 対応可能な治療方法の説明
- 各治療法によるメリット、デメリットの説明
- 飼い主の意向に沿った形での治療法の選択
と、細部に渡り対応してくださったことで、非常に安心感があったのを今でもよく覚えています。
のちに、その病院を設立する目的が、
「飼い主さんにとって、愛犬、愛猫が大切な家族、パートナーである、という認識をもち、インフォームド・コンセントを前提とした治療を行う動物病院を作りたい」
だったと聞いて、まさしく私達が求めていたもの、と感じ、それ以来、私達はこの病院をジュニのかかりつけに決めたのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか?
もし、同じような経験がある、あるいは、現在進行形で同じ状況である、という方は、今一度、
「新しく迎えた愛犬や愛猫にとって、一番いい動物病院とは何か?」
を考えてほしいと思います。
私達にとっては、それは最新設備でも、優秀な先生でもなく、「愛犬・愛猫に対する飼い主の気持ちに寄り添ってくれる姿勢」でした。
愛犬や愛猫は、どうしても人間よりも寿命が短い為、私達飼い主よりも先に天国へ逝ってしまいます。
シニアになってくれば、それまで思いもよらなかった病気にかかったり、怪我をすることもあります。
そんな時、治療してくれる先生が、心から信頼できるかどうか?
愛犬や愛猫に対して、最大限やれることをしてあげられたか?
その判断は、飼い主様にしかできません。
どうか、愛犬や愛猫と一緒に過ごした時間を振り返った時に、悔いが残らないようにしてください。
私達の経験が、皆様のお役に立てば幸いです。
余談ですが、私達がやめたあの動物病院は、最新の口コミによると、
- 待ち時間は長いけれど、信頼できる
- 丁寧に診てもらって、愛犬の容態も回復してきた、ありがとうございます
といった、GOOD評価もちらほら見受けられるようになっていました。
あの病院が、少しでも飼い主さんとそのパートナーに寄り添える方向に変わっているような気がして、今後もそのような変化を続けてくれることを願ってやみません。